【営業に効く心理学シリーズ】最終回 実践的な営業研修を行うために必要な3つのポイント

2020年1月22日

営業活動を心理学の観点から紐解き、効果的な成果をもたらすヒントを、 『営業に効く心理学』シリーズ 【全17回】でお送りします。

社内で営業研修を行う機会も多いかと思いますが、営業現場で役に立つ実践的な研修を行うために必要な「3つのポイント」を紹介します。ぜひ参考にしてください。

このシリーズも最終回になりました。
最後に、研修ご担当者のために、今まで紹介してきた内容を営業研修に落とし込む時のポイントをまとめてみましょう。
現場ですぐに役立ち、成果に結びつく研修は、次のような特長を持っています。

〈営業プロセスが明確な研修〉

このシリーズでは、「信頼関係を作る」「問題を認め合う」「解決策を示す」「満足を高める」というプロセスを紹介しました。
営業プロセスは、どれかをスキップすることなく、ある順序で、きちんとプロセスを踏まなければなりません。

十分に信頼関係ができていないのに、お客さまのニーズを探ろうとしても本音は聴けません。
そのためには、各プロセスの内容だけでなく、あるプロセスから次のプロセスに移ってよい、というお客さまからの(暗黙の)サインを見逃さないようにする演習も必要です。

〈お客さまの立場から考えさせる研修〉

人間は放っておくと自分の見方でしか物事を見ません。営業担当者もそうなりがちです。
しかし、意思決定するのはあくまでもお客さまであり、「信頼関係はできているはず」「ニーズは把握しているはず」という思い込みで営業プロセスを進めていっても、お客さまの心はぜんぜん別かもしれないのです。
ですから、それぞれのプロセスでお客さまがどんな心理状態に陥りやすいか、その見分け方や対処の仕方を教えること、また、ロールプレイで実際に「お客さま役」になってどんな心情になるかを話し合う、など徹底した「顧客の視点」に立った研修が大切になります。

〈アダルト・ラーニングの特性を生かした研修〉

効果的な研修は、理解しやすく、身につけやすく、実践しやすいものです。
また、大人の学習の仕方は、子どものそれとはまた異なった特徴を持っているので、研修をデザインする時には、それを十分に考慮する必要があります。
ウィルソン・ラーニングの考える「アダルト ・ラーニング」のポイントをご紹介しましょう。

  1. 組織も学習すること
    学習者が新しいスキルを使うサポートとなる組織文化を醸成する
    また、新しいパフォーマンスが普及・定着するために必要な人数を確保する
  2. 学習効果が実感できること
    学習の結果が、業務遂行や現実に直面する課題を解決するための能力と直結することを示すことで学習を動機づける
  3. 個人の洞察を通して学ぶこと
    学習者自身が、新しい目的や視点を見つけることで、自ら新しい考え方や行動パターンを探索するよう導く
  4. 一連のプロセスにより学習すること
    トレーニング単体ではなく、新しいスキルを獲得し、実践できるような一連の活動として学習を設計する
  5. 現実に即した学びであること
    日々取り組んでいるケースや状況と同じような学習環境で演習を行わせる
  6. 個人の責任で学ぶこと
    本来の「成長したい」という欲求を阻害してしまう自分自身や組織からの心理的バリアを廃し、学習者の内的動機を高める
  7. 自己効力感を促進すること
    プレッシャーのない、物理的・精神的に安全な場所で新しいスキルを練習し自信を持てるようにする
  8. 人生の学びであること
    学んだことが、仕事面だけでなく、仕事以外の生活全般に役立つと感じられるようにする

ウィルソン・ラーニングではお客さまの課題やご要望に合わせた営業力強化のプログラムをご提供しています。
営業プロセスの構築、営業力アセスメント、セールススキルならびにセールスコーチングに関するご相談はぜひお問い合わせフォームからご連絡ください。

ウィルソン・ラーニングでは、本シリーズの内容を網羅した「CSP-カウンセラー セールスパーソン」という研修プログラムのほかに、よりマネージャーや育成担当者向けにカスタマイズした「CCSP コーチング カウンセラー セールスパーソン」というプログラムもご用意しております。詳しくは下記のページをご覧ください。
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