【営業に効く心理学シリーズ】第6回 営業で落ち込んだときに読んでおきたい話

2019年10月30日

営業活動を心理学の観点から紐解き、効果的な成果をもたらすヒントを、 『営業に効く心理学』シリーズ 【全17回】でお送りします。

営業に限らず、仕事をしていく上で落ち込んでしまうことは誰にでもあります。
落ち込んでいるときは、無意識のうちに「パワーを失う言葉」を使ってしまいがち。
パワーを失う言葉とはどのようなものでしょう?
また、パワーを失う言葉を「パワーを生み出す言葉」に変えることはできるのでしょうか?

今回は緊張感を通り越して、「落ち込んでしまったとき」はどうすればいいのかについて話をしましょう。

あなたはどんなときに落ち込みますか。

「ああ、またミスっちゃったよ」
「駄目だ、あそこにだけは負けたくなかったのに」
「あのお客さんは僕のことを嫌っているんだろうか」
「こんなに落ち込むなんて、自分は営業に向いていないに違いない」
…などなど、落ち込むネタには事欠きませんね。

なぜ人は落ち込むのでしょうか。

それは「あるべき自分」と「現実の自分」のギャップが大きいからです。
あなたは「あるべき自分」をこんなふうに考えていませんか。

  • 「私はいつでも正確でなければならない
  • 「私は必ず勝たなければならない
  • 「私は誰からも好かれなければならない
  • 「私はいつも安定した気分でいなければならない

無意識のうちにこのように思っているからこそ、「そうでない自分」に落ち込みます。

でも、考えてみればこんなことは絶対に不可能ですよね。
まずは「こんな思い込みをすること自体おかしい」ということに気づいてください。

もちろん、成長するためには、高い理想を掲げて、自分をそれに近づけようとする努力は大切ですが、はじめから「こんなことができない自分はダメなやつだ」と思い込むことはありません。

こんな言葉はあなたのパワーを失わせます。

「…しなければならない」
「…すべきだ」
「…をする必要がある」

――これらの言葉には、あなたの選択の自由を奪い、受け身にさせる響きがあります。
でも考えてみれば、人生に「絶対にしなければならない」ことなどそれほど多くありません。

頼まなくてもこんな言葉をあなたに投げかける人はきっと周りにいるでしょう。
その上、わざわざ自分で自分のパワーを失わせる必要はまったくありません。

では、「営業訪問が楽しくなる3つの言葉」でお伝えした「魔法の言葉」を使って、「パワーを失わせる言葉」を「パワーを生み出す言葉」に変える練習をしましょう。

  1. 「待てよ!」:自分は落ち込んでいる、とはっきり意識して「待てよ」と唱えます。
  2. 「今の思い込みはこうだ!」:自分がどんな「思い込み」をしているかを口に出します。たとえば「絶対にミスをしてはならない」というふうに。
  3. 「思い込みを変えよう!」:「…してはならない」という言葉を「自分の意思で…する」に変えてみます。「自分の意思でミスをしないようにする」のように。

人間は自分の意思で何かができる、と思うと力が湧いてくるものです。
自分には、それができる力がある、ということを信じ、自分を受け入れることのできる人は、自分以外の人もありのままに受け入れられます。
これが営業担当者としてとても大切な「共感」の力になるのです。

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