今すぐ使える交渉スキル②:バルコニーに上がろう

2024年4月2日

「交渉」は、ビジネスにおいて欠かせないコミュニケーションスキルのひとつです。
「交渉が苦手」と思い込んでいる?あなたへ贈る、交渉力向上のためのヒント【全5回】

【第1回】交渉が苦手なあなたへ。「ハーバード流交渉術」のすすめ
【第2回】こんな時、どうする? ゼロサムゲームから脱却するために
【第3回】今すぐ使える交渉スキル①:柔道型交渉術
【第4回】交渉で見失ってはいけない3つのポイント
【第5回】今すぐ使える交渉のスキル②:バルコニーに上がろう

バルコニーに上がるとは

人間は感情の生き物です。交渉の場で、話が思うように進まなかったり、相手に強い感情をぶつけられると、カッとなったり、投げだしたくなるような気持ちになることもあるでしょう。しかし、感情的な意見からはよい結果は生まれません。そんな自分の感情や態度をコントロールし、本来の交渉目的に立ち返る方法、それが「バルコニーに上がる」です。
バルコニーは全体を見渡すことができ、安定した感情状態で物事を考える場所の例えです。なぜ全体を見渡すことが必要なのでしょうか?それは、交渉を進めていく中で、次の2つの視点が重要だからです。

  • 今の状況を第三者だったらどう見るか、という客観的な視点で考える
  • 交渉全体を広い視野で見つつ、達成目標から目を離さないため

バルコニーで何をする?

まず自分が舞台を眺めている状態を想像します。そして、二階のバルコニーに上がり、舞台上で繰り広げられている演技全体、つまり自分と交渉相手の間で起こっているすべての事象を見渡します。
交渉している自分と相手を第三者の目線で見れば、相手に過剰に反応しないですむでしょう。

次に、今回の交渉で達成したいことは何か、交渉の目的をはっきりさせます。なるべく具体的に、かつシンプルな言葉で整理してみましょう。
また、この交渉の利害関係者も明らかにし、誰を、いつ、どのように交渉に巻き込むかをあらかじめ考えておきましょう。このようなことを頭の中で整理していくと、感情から離れ冷静になり、大局観を取り戻すことができます。
(もちろん、交渉に臨む前に、あらかじめこれらのことを整理しておくことは重要です。そうすれば、このタイミングでは思い出すだけですみますね)

具体的な方法

「バルコニーに上がる」状況を作るためには、休憩を申し出たり、電話を1本かけるために外へ出る、トイレへ行くなど、時間や場所を一時的に離れる手段を用います。また、状況によっては日にちを改めた再交渉の場を申し出るのも一つの方法です。

ただし、このスキルを使う際には注意が必要です。休憩を申し出ることや電話をすることで時間を稼ぐことが可能ですが、これらの行動が交渉相手に不快感を与える可能性もあります。現在の状況をしっかりと読み取り、適切なタイミングで「バルコニーに上がる」行動を行うことが重要です。

また、「バルコニーに上がる」行動をとったことで得た新たな視点や情報を、交渉にどのように活かすかも大切な要素です。感情をコントロールし、客観的に達成目標を見つめ、全体像を理解した上で、再び交渉の舞台に戻る準備を整えましょう。

まとめ

「バルコニーに上がる」とは、交渉中の感情をコントロールし、全体像を見つめ直し、交渉目的に立ち返るためのスキルです。具体的には、交渉相手に不快感を与えないように注意しながら、一時的に場所を離れるなどして冷静さを取り戻します。また、自身の達成目標や利害関係者を再確認することで大局観を取り戻します。
重要なのは、バルコニーに上がったことで得られた新たな視点や情報を交渉に活用することです。感情をコントロールし、再び交渉の舞台に戻る準備を整え、戦略的で有意義な対話を目指しましょう。

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