今すぐ使える交渉スキル①:柔道型交渉術

2023年12月5日

「交渉」は、ビジネスにおいて欠かせないコミュニケーションスキルのひとつです。
「交渉が苦手」と思い込んでいる?あなたへ贈る、交渉力向上のためのヒント【全5回】

【第1回】交渉が苦手なあなたへ。「ハーバード流交渉術」のすすめ
【第2回】こんな時、どうする? ゼロサムゲームから脱却するために
【第3回】今すぐ使える交渉スキル①:柔道型交渉術
【第4回】交渉で見失ってはいけない3つのポイント
【第5回】今すぐ使える交渉のスキル②:バルコニーに上がろう

今日はある受講者からの質問をもとに、合意形成のプロセスについて考えてみましょう。

【質問】


交渉という場では利害の対立があるため、相手はなかなか自分の利害を話そうとしません。

場合によってはその利害を隠し、立場を押し通そうとして強硬な姿勢をとってくる人や感情的になる人もいます。
非常にシビアな状態になることがありますが、そのような時に「Win-Win」の合意形成など果たしてできるのでしょうか?

「柔道型交渉術」で対立を回避する

利害の対立は、時に感情的な対立を生むことがあります。
「合意形成」のプロセスにおいてそのような感情の対立を避けるためには、「人」に対する対処法を組み込まなければなりません。
特に相手が感情をむき出しにしている場合には、相応の対人対応スキルが必要になります。

こうした時の対応スキルの一つとして、「柔道型交渉術」をご紹介します。
相手の心理的な圧力を逆に利用して、相手から利害に関する情報を引き出す会話を組み立てていくスキルです。

ご存じの通り、柔道は相手の力を利用しますね。
相手の力と直接ぶつかり合うのではなく、技を使ってかわし、相手の力を自分に転化させる。これが柔道型交渉術です。
具体的には、以下のようなことを実践してみてください。

  • 相手が主張してきた時に強く反論しない
  • 質問を通じて流れを変える
  • 自分の案を批判されても弁護しない
  • 攻撃されてもやり返さない、反応しない
  • 時には無言でその場をやり過ごす

押し返す代わりに横によけ、相手の矛先が問題に向かうようにしてみてください。
力に力で対抗せず、柔らかく受け流し、あくまで双方の利になる案を探すことに集中を向けさせます。
相手の言葉やパワーを逆に使って、相手に質問を投げかけ、相手に利害を自ら話させるような会話の流れを作るのです。

人間は感情の生き物です。相手の言葉や態度に反応してしまうこともありますが、最終的に自分がコントロールできるのは自分自身の行動だけです。
相手の感情や人間性を変えることは困難ですが、交渉の流れは自分の力で変えることができます。
自分が直面する力をうまく逃し、本来の交渉の目的に戻るよう努力してみてください。
あなたがすべきは、本来の交渉の目的から脱線しないよう向かってくる力をうまくかわしながら流れを本流へ戻すことです。

まとめ

交渉の場で生じる利害の対立や感情的対立に対応するためには、「柔道型交渉術」が有効です。対話の中で相手の攻撃的な主張や感情に直接反論するのではなく、質問を通じて状況を巧みにコントロールし、自分自身の所見や提案を守りつつも交渉の本来の目的へと戻すスキルです。
相手の感情や人間性を変えようとするのではなく、相手のパワーを受け流し、交渉の流れを自身の力で切り開くという考え方が重要です。

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