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こんな時、どうする? ゼロサムゲームから脱却するために

2023年11月7日

「交渉」は、ビジネスにおいて欠かせないコミュニケーションスキルのひとつです。
「交渉が苦手」と思い込んでいる?あなたへ贈る、交渉力向上のためのヒント【全5回】

【第1回】交渉が苦手なあなたへ。「ハーバード流交渉術」のすすめ
【第2回】こんな時、どうする? ゼロサムゲームから脱却するために
【第3回】今すぐ使える交渉スキル①:柔道型交渉術
【第4回】交渉で見失ってはいけない3つのポイント
【第5回】今すぐ使える交渉のスキル②:バルコニーに上がろう

こんな時、どうしますか?

「納入したシステムに不具合がある」とお客さまからクレームの電話が入りました。
よくお話を聞いてみたところ、お客さま自身の使い方に問題がありそうです。

しかしお客さまは強い口調で
「これは普通の使い方であり、その使い方を想定していないシステムの方に問題がある。善処せよ」と言って譲りません。

皆さんなら、どのように判断しますか?

対応1)ユーザ向けマニュアルを根拠にお客さまに使用方法を改善するよう伝える
対応2)お客さまの主張には逆らえないので、修正を無償で請け負う

対応1のように、理不尽な要求には応じられないと突っぱねるのも戦略の一つですが
一方的に主張を貫けば相手との関係が険悪になり、今後の業務に影響が出るかもしれません。
一方、相手との今後の関係性や交渉に費やす工数を鑑み、対応2のように譲ってしまったほうが最終的に得と考えることもできますが、この場合は相手にだけ満足があり、一方的です。また、この前例により、同様の新たな要求を呼び寄せてしまう可能性もあります。

こうしたジレンマを解き、双方にとって有意義な合意形成を進めるための方法を学ぶのが、「ハーバード流交渉術」です。
この理論を学び、活用することで、あなたの交渉力は確実に向上するでしょう。

「ゼロサムゲーム」から「Win-Win」の領域へ

冒頭の例のような、なんらかの交渉が必要な状況に陥った時、私たちは妥協するか、何かを根拠に反論するといった対処法に訴えがちです。しかし、それが最善の方法とは限りません。なぜなら、往々にして「勝つ者」と「負ける者」を生み出すゼロサムゲームの構図に陥る可能性あるからです。

この図を見てください。縦軸はあなたの利益を、横軸は交渉相手の利益を表しています。
全体は常に100%、つまり、相手が譲歩すれば、あなたの要求は90%実現します。しかし、相手の要求は10%しか満たされません。逆もしかりです。

一般的に「交渉」と言われるものの多くは、こうした構図のもとに進められます。
一方が利益を得ると、他方は利益を得られません。
こうした押したり引いたりの状況においては、結局「力関係」で決着がつきがちですね。
あるいは、お互いに部分的に譲歩し合い、おおよその中央をとって50%ずつで決着するということもあります。しかし、これが最適な解決方法でしょうか?皆さんもしくは交渉相手は満足してくれるでしょうか?

力関係に基づく「合意」もやむなく譲り合った結果としての「合意」も、本当の意味での「合意」ではありません。
交渉できる範囲を「この直線上のどこか」と決めてかかるのではなく、互いに満足が得られ、納得して合意できるためには、直線から離れたころにまで領域を広げることが必要です。この手法によって「Win-Win」の結果を作り出す道筋をつけるのが本当の「交渉」です。

右図を見てください。双方とも90%ずつの利益を得られる可能性があります。その為には、直線上から離れることが重要です。そんな合意地点を探し出すことができれば、それこそがまさに「Win-Win」の領域と呼べるのではないでしょうか。

この考え方はハーバード流交渉術では「原則立脚型交渉」と呼ばれ、効果的な交渉の秘訣とされています。

あらかじめ決められたように見える線上から飛び出して、「Win-Win」の領域を探す旅に出てみませんか。

まとめ

交渉において、一方が勝ち、一方が負けるというゼロサムな思考から脱却し、「Win-Win」を目指すのがハーバード流交渉術です。あらかじめ想定されたフレームにこだわることなく、広範に思考することで、双方が納得し満足できる真の合意地点を追求します。
交渉の場は双方の要求をぶつけ合う対立の場ではなく、新たな価値を創出する場です。積極的に思考の幅を広げ、「Win-Win」の領域を探しにいきましょう。

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ウィルソン・ラーニング ワールドワイド株式会社は、人材・組織開発の分野で、グローバル2000、フォーチュン500、各国の新興企業などを対象にコンサルティング・サービスを提供しています。常に社会の変化や市場のニーズを敏感に捉え、いち早くそれらに対応すべく、グローバルでより最適なサービスを提供できる体制を作り上げてきました。これまで世界50か国(30言語)でリーダーシップやマネジメント、営業力強化のプログラムを提供し、人材と組織の開発に関するお手伝いをしています。