リーダーシップの発揮に必要な2種類の要素とは?

2019年11月5日

リーダーシップを構成する2種類の要素

モチベーションが高く、かつ生産性が高い組織を作り出すには、リーダーシップを発揮できる人材が必要不可欠です。
優れたリーダーとなる人材を獲得するためには、今必要とされるリーダーシップとはどのようなものなのかを理解した上で、どう育成していくかを考える必要があります。
この記事では、リーダーシップを身につけたい、組織のリーダーを育成したいと考えている方に向け、リーダーシップの発揮に必要な要素について解説します。

参考記事:
リーダーシップとは?リーダーシップの種類や必要な資質を解説
80%の「受け身」従業員を生かすには?リーダーシップでエンゲージメントを高めよう!

リーダーシップを構成する2種類の要素

リーダーシップを構成する2種類の要素について説明します。どちらも重要な要素であり、どちらが欠けても効果的なリーダーシップを発揮することは難しいでしょう。

エッセンス

リーダーをあらわす要素のひとつをエッセンスと呼びます。
エッセンスとは、たとえば、「チームのメンバーが成長できてこそリーダーである」「常にポジティブ思考でありたい」というような、「どのようなリーダーでありたいか」という自身の価値観、信念、哲学です。
個人の価値観や信念であるエッセンスは直接指導することが難しく、本人の「気づき」が重要なポイントとなります。
しっかりしたエッセンスをもつためには、自ら「どのようなリーダーでありたいか」を問い続けること、そして周囲がどのようにして気づきを促すかが重要になります。

フォーム

もうひとつの要素はフォームです。フォームとは、「リーダーとしてすべきこと」をするための言動です。
たとえば「チームメンバーを大切にする」「新しいことにチャレンジする」などのように、最初に述べた価値観、信念、哲学を体現しているものです。フォームは目に見える部分なので、リーダーシップのトレーニングではこのフォームのみを強化してしまう傾向があります。
しかし、言動(フォーム)は価値観や信念(エッセンス)に基づくものなので、エッセンスを考えずにフォームのみを独立して育てることは難しいでしょう。

たとえば、「部下への対応力」や「行動力」などのフォームをトレーニングし習得していても、じつは常に自分の価値観を押し付けるだけで、自分の成功のためにのみ行動している人がリーダーだとしたらどうでしょうか。周囲からの信頼を得ることは難しく、リーダーシップを発揮しているとは見てもらえないかもしれません。

一方、信念がしっかりあり、人間性も問題なく信用できる人であっても、知識やスキルがさっぱり、という人には、やはりメンバーはついていくことができないでしょう。どちらかが欠けても、リーダーシップは十分に発揮されません。有能なリーダーはフォームとエッセンスを共に育て、融合しているのです。

リーダー育成についての投資のバランス

世界各国でリーダーシップに関するイベントがありますが、「リーダーの育成やリーダーシップ開発において、最近重要性を増しているのはエッセンスとフォームのどちらか?」という質問に、多くの人事、人材開発担当者は「フォームも重要だが、エッセンスの重要性が増している」と回答します。
一方で、リーダーに対するトレーニングやワークショップで扱うテーマとしてどちらに多く投資しているかという質問に対しては「圧倒的にフォームに投資をしている」という回答が返ってきます。
これは、どちらが重要かというよりも、両方重要なのだが、投資のバランスとして「フォームに偏っている」というメッセージなのだと考えられます。

バランスよくリーダーシップ開発をしていくために、育成について、何を考えるべきかについて次にお話します。

リーダーの成長レベルに合わせて育成する

リーダーシップを構成する要素には、「エッセンス」と「フォーム」の2種類があるという話をしました。
リーダーの成長段階によって習得すべきフォームとエッセンスが異なるため、それぞれのレベルに応じた育成が必要です。それぞれについて解説します。

初級レベルのリーダー

一般社員から、チームをリードする責任者的な立場となった段階のリーダーを初級レベルのリーダーとします。
現場の力量や専門性を見込まれてリーダーになる人が多く、当然周囲から技術的な相談を持ちかけられることが多くなります。
しかし、リーダーとして行わなければならないのは、専門的な知識でメンバーの問題を解決してあげることではありません。

この段階のリーダーに必要なのは、メンバーが自分たちで問題を解決できるように支援することです。
効果的にコミュニケーションを取ることでメンバーのやる気を起こさせる、信頼して仕事を任せる、などがなすべきことです。
初級レベルのリーダーという新たな役割において獲得すべきなのは、リーダーシップを発揮することによる「信頼性の確立」なのです。

中級レベルのリーダー

中級レベルのリーダーになると、メンバーの問題解決のみではなく、さらなる成長を支援する役割を担う段階です。
自分一人で何もかも行うのではなく、チームのメンバー全員に責任を持たせる、能力を育成する、うまくコントロールする、などのフォームが必要となります。

自らの権力を行使し、自らを成功者として認めてもらうことがリーダーとして重要なことではありません。
中級レベルのリーダーとして必要なエッセンスは、メンバー全員の力で成功を得るために自分は何ができるのだろうかという意識を常に持つことです。

上級レベルのリーダー

上級レベルのリーダーは、初級レベル・中級レベルのリーダーを統率する経営幹部レベルのリーダーです。
組織全体を焦点とした戦略的なスキルが必要となります。組織の業績に関する戦略を立てる、貢献度の高い組織文化を創造する、などのフォームが求められます。

上級レベルのリーダーは他のリーダーのお手本となるべき存在であり、誠実さ・透明性などがエッセンスとしてより求められます。

まとめ

有能なリーダーとは、エッセンスとフォームが無理なく融合している人材です。
また、リーダーの成長レベルによってエッセンスとフォームの内容も異なります。
自社の人材のリーダーシップの育成を検討している方は、まずはよい事例などの情報収集から始めてみてはいかがでしょうか。

ウィルソン・ラーニングでは、リーダーシップ育成に関する研究を行っており、リーダーの育成に関する情報も配信しています。
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参考記事:
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