メンバーのやりがいと成果を最大化。
医療現場に欠かせないリーダーの成長を支援

日本ステリ株式会社
品質・教育本部 本部長 齋藤 望 様
品質・教育本部 教育部 部長 黒部 一宏 様

2024年3月26日

日本ステリ株式会社は、「Healthcare for You」の実現に挑戦を続けるH.U.グループの一員であり、医師や看護師業務をサポートするメディカル・パートナーです。滅菌事業を中心に、手術室や病棟・外来、病院内のすべての診療に関わる医療関連サービスを提供しています。人財育成においては、従業員一人ひとりの目指すキャリアの実現を支援し、キャリア形成を後押しする育成プログラムを整備しています。
多忙な医療現場で顧客の信頼を獲得して価値提供を行っていくために、2022年度は課長層向けにCSP研修を実施。2023年度には、チームマネジメント力の向上のために、医療現場責任者向けにリーダーシップマネジメント研修を実施しました。

課題・背景

  • 人材不足かつ多忙な医療現場ではチーム内のコミュニケーション不足が慢性化していた。
  • リーダーシップやマネジメントに関する基本的な考え方や原理原則を組織として共通言語にする必要性があった。

支援内容

  • リーダーシップマネジメント研修を多忙な現場に合わせて1日版にカスタマイズして提供。
  • 「リーダーシップに必要な5要素」に対する本人の現状を事前調査で可視化、当日は自分ごととして納得しながら学べる土台づくりを行った。
  • 部下への具体的なフィードバック方法や伝え方のスキルのロールプレイなど、すぐ現場で実践できる学びを中心に実施した。

課題・背景

  • 【Q】どのような課題がありましたか?

人材不足かつ多忙な医療現場ではチーム内のコミュニケーション不足が慢性化

齋藤: 私たちがメディカル・パートナーとして医療業務をサポートする医療施設には、責任者またはセンター長という立場でマネジメントを行う社員が260名います。責任者・センター長は現場でお客さまに寄り添い、信頼関係を構築し、お客さまの期待に応えて満足していただけるように価値提供を行っていく重要な役割を担っています。

黒部: そのため、お客さまとの関係性の構築、生産性の向上、労務管理などさまざまな能力が必要になります。また、医療業界という特性上、リーダーシップとチームマネジメントに実践的に取り組み、より良い現場づくりを行って成果を上げていかなければならないという課題がありました。

齋藤: しかし、施設環境やチームの置かれている状況は現場によって異なります。育成するメンバーの人数も個性も一人ひとり違いますし、マネジメントに対する考え方も人それぞれです。
さらに医療業界は人材不足のため、多忙な業務に追われて、慢性的なコミュニケーション不足に陥っています。リーダーシップやマネジメントの必要性を頭ではわかっていても、具体的にどう行動すれば良いのか、チームメンバーのモチベーションを上げるために何をすれば良いのかわからずに悩んでいる人も多くいます。

黒部: そうした課題を解決するためにも、リーダーシップやマネジメントに関する基本的な考え方や原理原則を組織として共通言語にする必要があると思いました。そこで、責任者・センター長260名を対象に、2023年9月から2024年4月にかけて全12回にわたり、リーダーシップマネジメント研修を実施しています。

  • 【Q】なぜ、ウィルソン・ラーニングを選びましたか?

医療業界の特性と組織風土に対する理解の深さが導入の決め手に

齋藤: 一番の決め手は、医療業界の特性や当社の特徴をよく理解してくれたことです。以前、ウィルソン・ラーニングさんのCSP(カウンセラー セールスパーソン)を当社の社長が受講し、カウンセラー アプローチのメソッドに感銘を受けています。お客さまに寄り添い、価値提供ができる人材を育成したいという強い思いから、プログラムを検討し、昨年度は課長を対象にCSP研修を実施しました。その際、当社の企業文化や組織風土、業務体系、社員の特徴をよく理解してとても親身になって相談に応える姿が印象的でしたので、責任者・センター長向けの研修も依頼したいと思いました。

黒部: リーダーシップマネジメント研修は本来2日間のプログラムです。しかし、現場の状況を考えると研修に2日間も時間を割くことができないと相談したところ、1日に凝縮したプログラムを提案いただきました。すでに完成されたプログラムであるにも関わらず、当社の状況を理解して、カスタマイズすることへの障壁が少なかったことも導入の決め手です。本来は平日開催にも関わらず、現場の状況を鑑みて土曜日に実施いただいたことで、集合研修が実現できました。

支援内容

  • 【Q】導入にあたり苦労した点をお聞かせください

事前課題の説明に苦労したものの、スムーズな運用に向けて改善点をブラッシュアップ

黒部: 苦労よりも導入して良かったと思うことの方が多いのですが、事前に実施するリーダーシップ調査の説明には苦労しました。事前にリーダーとしてのパフォーマンスを部下にアンケート調査するのですが、慣れていない取り組みのため、受講者に実施の目的や手順を説明して理解を得ることに苦労しました。また、期日までに事前課題の提出が揃わず、催促をして地道に提出を促していくことに労力がかかりました。

齋藤: これは事務局の事前説明が不足していた部分もあると思います。受講者に研修の意図と事前課題の意義を理解してもらえるように、説明にも工夫が必要だと思いました。現在は、全12回中の7回目を終えたところなので、運営上の反省点や改善点を洗い出し、後半に向けてスムーズに運用できるように改善していきたいです。

  • 【Q】導入して良かった点をお聞かせください

具体的なフィードバック方法を知ることが悩みの解決のヒントになる

黒部: 1日に凝縮したプログラムですが、事前に伝えた課題感や要望がしっかり反映されていて、要点を押さえた訴求力のあるプログラムを提供していただいていると思います。

齋藤: 「リーダーシップの5要素」に対する現在の自分のパフォーマンス結果が事前調査により可視化されているので、非常にわかりやすく構成されています。受講者は自分ごと化して納得しながら学んでいました。単に知識やスキルを教えるだけでなく、演習やロールプレイを通して学んだスキルを自分の表現で実践に移せるような内容で構成されているのも良かった点です。

黒部: 部下への具体的なフィードバック方法や伝え方のスキルを練習することで、すぐに現場で活用できるものを得られたのではないかと思います。メンバーの育成やマネジメントに課題意識は持っているものの、「業務に追われて手が回らず、どう取り組めばいいのかわからない」、「育成に対して踏み出せない」といった悩みに対する何かしらのヒントを提供できたと思っています。

齋藤: 研修後、すぐにウィルソン・ラーニングさんとフィードバックし合いながら、改善点を次回の運営に活かしています。研修を一緒に作っているという感じがしましたし、カスタマイズだけでなく、手厚いサポートが受けられる点も含めて、ウィルソン・ラーニングさんに依頼して良かったと思っています。

効果・成果

  • 【Q】どのような効果・成果がありましたか?

現場のコミュニケーション不足に気づくことでマネジメントに対する意欲が上がった

齋藤: 皆、チームメンバーの顔を思い浮かべながらフィードバックの方法を習得したり、ロールプレイに参加したり、現場のことを考えながら学んでいる様子でした。学んだことをそのまま現場で使えるような内容が多かったので、マネジメントへの意欲が高まり、部下との関わり方、コミュニケーションの取り方などに活用してもらえるのではないかという手応えがあります。

黒部: ここ数年、集合型の責任者研修を実施していなかったこともあり、研修を通して、他の施設の情報共有や責任者同士のコミュニケーションの場を設けられたことは、非常に意義があったと思います。研修の前と後では、明らかに受講者の表情が違いますし、さまざまな気づきと刺激を得て充実した1日を過ごせたのだなという手応えを感じました。

齋藤: 受講後のアンケート結果を見ると、部下に対して意識的なコミュニケーションが取れていないことに気づかされた人が多くいました。「部下の行動に対してのフィードバックが不足している」「伝え方や説明の仕方への工夫が足りない」「仕事の目的・目標の共有ができていない」という感想があり、マネジメント不足への危機感を感じているのだと思いました。

黒部: 仕事の作業指示をして終わりではなく、その後のフィードバックの必要性、言語化して伝えることの大切さ、褒める、労うといった会話の重要性に気づいた人も多くいます。研修の構成も、前半は自己の振り返り、後半はメンバーとの関わり方という流れになっているので、マネジメントとしてやるべきことが腑に落ちたのではないかと思います。

齋藤: 責任者としてできていることとできていないことを振り返る良い機会になったと思います。部下のモチベーションを上げることも、コミュニケーションを取って信頼関係を構築していくことも、時間がかかります。人の数だけ育成方法があると思いますが、今回の研修をきっかけに、チームマネジメントや育成に対する苦手意識を払拭し、現場での実践に活かして欲しいと思います。

  • 【Q】今後の展望についてお聞かせください

社員の期待に応える研修の場を提供し続けることで会社の成長につなげていく

黒部: 7回目の開催を終えて、事前課題の取り組みにも慣れてきました。後半の開催に向けて着実に準備を進めていき、期日までに事前課題を提出することを促していきたいです。さらに、研修の休憩時間には、我々から参加者に声をかけて、積極的にコミュニケーションを取っていきます。研修の感想やどんな気づきがあったのか、現場は今どのような状況なのかなどを聞き、前半の参加者の状況や、研修で挙がっていた意見や感想も伝えていくことで、学びを促進する良い場づくりをしていきたいです。

齋藤: 責任者・センター長は当社の事業を担う重要なポジションです。仕事を通して社会貢献を実感できるポジションでもあります。求められることは多いかもしれませんが、その分やりがいもありますし、自己の成長を感じられると思います。社員の成長は会社の成長につながります。より活き活きと輝いて働いていただくためにも、今後はフォローアップのための場づくりや、現場の課題感を解消できるような研修を提供していきたいです。

黒部: 受講者から「他の責任者の考え方や現場の実践事例を聞くことで自分自身の刺激になり、新しい発見ができた」という感想も届いています。顔を合わせて情報交換できる場を提供できるように、今後も取り組んでいきたいと考えています。

齋藤: 昨年度は課長、今年度は責任者・センター長とマネジメントラインを対象に研修を実施しましたが、チームマネジメントの成果を上げるためにも、ゆくゆくは、配下のリーダー層にも研修を実施していきたいと考えています。階層ごとにそれぞれの役割と責務があり、会社が何を期待していて、何を求めているのかを明確に発信していく必要があると感じています。そこにどう取り組んでいくかは今後の課題ですが、社員から「研修をもっとたくさん実施してほしい」「いろいろなことを学びたい」という声も届いていますので、その要望に応えられるように頑張っていきます。