営業活動の効率化を支えるコンテンツマーケティングを最大化しよう

2020年9月8日

近年多くの企業で導入が進んでいるコンテンツマーケティングには、潜在顧客層にアプローチして見込み顧客を発見し、購買顧客へと育成することができるメリットがあります。その効果を最大化するためには、営業とマーケティングの連携が不可欠です。

過去2回にわたり、アフターコロナの成長戦略に欠かせない、営業とマーケティング連携の重要性や営業とマーケティング連携を成功させるための4つのTIPSをご紹介しました。

これらのTIPSを踏まえたうえで、今回はコンテンツマーケティングの概要と、マーケティングと営業連携の効果を最大化するための大切なポイントをご紹介します。

また、コンテンツマーケティングに限らず、これからのマーケティング・セールス活動においては、双方の連携強化が欠かせません。
連携強化に必要なポイントやコンテンツマーケティングの活用法に関してこちらの資料にまとめてあります。
是非、ご一読ください。

アフターコロナに求められるマーケティングと営業の連動強化

コンテンツマーケティングがもたらす営業メリット

コンテンツマーケティングは、潜在顧客に向けた価値あるコンテンツの制作・発信を通して見込み顧客を発見し、顧客へのアプローチ、ニーズの育成、購買を経て、最終的にはファンとして定着させることを目指す一連のマーケティング手法です。自社のブランド力を強化するだけではなく、営業活動におけるメリットも多く、コンテンツマーケティングを活用することで新規見込み顧客へのリーチ拡大、見込み顧客の育成を促すことができます。

新規見込み顧客へのリーチ拡大と営業活動の効率化

コンテンツマーケティングはWebを活用し、幅広く自然な形で情報を発信することができます。地域を限定せずに営業活動を行うことができるので、顧客リーチの拡大につながります。
また、従来、営業担当者が個別に行っていた潜在/見込み顧客への情報提供をWeb経由でできることから、営業活動の効率化につながるというメリットもあります。
さらに、自社のファンがSNSなどでコンテンツをシェアしてくれることで、自社ではアプローチできなかった層にも情報を発信することが可能です。

見込み顧客の育成

顧客の求める情報や興味関心を抱く情報を継続して発信し続けることで、顧客からの信頼を獲得することにつながります。自社がその分野の専門家や信頼できる企業として認知されることで、ブランドや商品・サービスへの信頼感が高まります。
ブランド力の向上は顧客ロイヤリティの向上につながり、受注率の向上が期待できます。

コンテンツマーケティングの効果を最大化するためのTIPS

3つのフェーズを理解してコンテンツマーケティングの効果を最大化

いくら顧客獲得効果があるからといって、闇雲にコンテンツを配信しても十分な効果は得られません。場合によっては逆効果になるケースもあるでしょう。ここでは顧客獲得までのフェーズを「発見」、「アプローチ」、「販売」の3つに分けて、コンテンツマーケティングの効果を最大化するための営業とマーケティング連携のTIPSをご紹介します。

発見のフェーズ:ターゲット顧客像の共有と言語化

  1. ターゲット顧客ペルソナの共創と共有
    営業とマーケティングなどコンテンツマーケティングに関わる者同士でターゲットとなる顧客のユーザー像(ペルソナ)を共創し、言語化して共有します。
    年齢、性別、居住地などの基本情報のほか、職業、家族構成、ライフスタイル、趣味嗜好、性格、インターネット利用状況などターゲット層の特徴を具体的に設定し、ユーザにマッチしたコンテンツ戦略を立てていきます。
    営業とマーケティングがそれぞれ別のペルソナを描いていた場合、情報発信のズレが生じます。自社のターゲット層にマッチしないコンテンツでは、有益なリードを獲得することができません。
    また、コンテンツごとに異なるメッセージの訴求や、自社のブランドメッセージと異なる内容を発信していては、新規顧客の信頼を獲得するどころか、既存顧客の信頼までも失う可能性があります。
    まずはペルソナを共有することで、個人個人の思い込みや認識の違い、情報発信のズレを防ぎます。
  2. リード属性の優先順位付けの共有とルール化
    コンテンツマーケティングは新規リードを大量に創出する可能性を持っています。
    しかし、事業の成長目標には貢献しないと思われるリードも多く創出され、そうしたリードの追跡は営業効率を低下させる恐れがあります。そのため、未整理市場から創出されたリードをフィルターにかける必要があります。
    業種、事業規模、行動履歴、予算感、購入意思決定にかかる日数など、リードの質が分かるようにスコアリングの項目や基準を決めていきます。「自社事業にとってこの顧客は有益なのか?」「顧客にとって自社は有益なのか?」この問いを繰り返し行い、フィルタリングします。営業とマーケティングが連携し、創出したリード属性に対して優先順位付けを行う際のルール決めを行うことが重要です。

アプローチのフェーズ:アプローチ戦略の共有および共通言語化

  1. 顧客アプローチシナリオの共創と共有
    自社の提供価値を伝えるメッセージや顧客アプローチシナリオの非統一はリードを混乱させ、受注率を低下させます。
    上質なリードを獲得し、ベストなタイミングでアプローチしてリードを取りこぼさないためにも、誰に、何を、いつ、どのように行うのか、一貫性のあるシナリオを営業とマーケティングで共創することが重要です。
    顧客と一番近いポジションにいて、顧客の生の声を知っているのは営業です。営業が現場で得た顧客のリアルな声やニーズをペルソナ設計やアプローチシナリオに落とし込むことで、より効果的な戦略を立てることができます。
    顧客の持つ課題感、自社が提供できる価値を具体的な言葉にし、顧客の心にダイレクトに刺さるコンテンツを発信することで、他社との差別化を実現し、他社とは違ったキレのあるオリジナルコンテンツにつなげることができます。
  2. コンテンツマーケティング企画の共創
    • ビジネスブログやホワイトペーパーの共同企画
      顧客の興味・関心に応じてさまざまなコンテンツを使い分けることができるのも、コンテンツマーケティングの魅力のひとつです。
      ブランド、製品・サービスの紹介、ベネフィットを訴求するコンテンツの例として、手軽に読めるビジネスブログや課題解決を文章化したホワイトペーパーが挙げられます。顧客の体験談や成功事例は新規見込み顧客の興味・関心を引く有効なツールになりますので、積極的に活用していきましょう。
      導入事例やお客様の声を掲載したホワイトペーパーの制作には、営業の協力が必須になります。営業とマーケティングが連携して共同企画を行うとよいでしょう。
    • ウェビナーの共同企画
      withコロナで来場型セミナーの開催が困難な今、多くの企業がWebとセミナーを組み合わせたウェビナーを開催しています。
      オフラインでは時間と場所の制約があり実現が困難だった企画も、オンラインなら実現の可能性が広がります。自社で完結できるウェビナーのほか、他社と共同開催して行うウェビナーも人気を集めています。

販売のフェーズ:営業への引き渡し条件の共有およびルール化

自社の製品やサービスが解決できる課題感を持たないリードや、予算化の目処が立たないリードへの営業提供は、営業リソースを逼迫し、営業を疲弊させる要因になります。
お互いのリソースに配慮し、事前にマーケティングから営業へのリードの引き渡し条件をルール化して営業効率を上げていきましょう。リードの引き渡し条件はBANT条件を活用するとよいでしょう。

  • BANT条件
    BANT条件とは、営業活動を行う案件をセグメントし、優先順位を付けて絞り込んでいくための手法です。以下の4つの情報の頭文字をとってBANT条件と呼ばれています。
    B:Budget(予算)
    A:Authority(決裁権)
    N:Needs(必要性)
    T:Timeframe(導入時期)

これは、営業が行う基本的なヒアリング事項ですが、顧客と直接対話をしなければ得られない情報です。予算の幅やニーズの顕在化の大小など、必ず営業と連携して条件設定し、引き渡し案件をルール化しましょう。

また、フィールドセールスの手前にインサイドセールスを挟むことで、リード引き渡しの判断材料をもう少し細かく集めることも可能です。
営業とマーケティングが好連携を行うためには、リードの引き渡し基準が明確に定められていること、営業がアプローチする際の価値提供シナリオなどが適切に言語化されていること、これらが共通言語化されて共有されていることが鍵になります。

まとめ

コンテンツマーケティングは新しい見込み顧客を多く創出する可能性を持っています。
しかし、マーケティングと営業の連携が不十分な場合、成果につながらないリードばかりを大量に集めてしまい、営業活動の効率が低下するといった弊害もあるため、注意が必要です。

マーケティングと営業の連携を強化し、コンテンツマーケティングの効果を最大化しましょう。