5/22参加講演報告 「ATDから見る人材育成のトレンドは?」

2017年5月23日

アトランタのGeorgia World Congress Centerより、ウィルソン・ラーニングの浅井が5/22の最新情報をお届けします。

ATD2日目、いよいよEXPOも開始するため参加者人数もぐんと増え、朝8時前から基調講演の会場には長蛇の列ができました。


ATD 2017開演に先立ち、ATD会長Tony Bingham氏からウェルカムスピーチがありました。

Bingham氏は、タレント開発での話題のトピック「マイクロラーニング」について話されました。

マイクロラーニングとは、1つの学習がコンパクトに短い単位(2~5分)にまとめられ、ビジュアルが多く、学びたくさせる工夫が施された学習方法。映像、セルフぺ―ス型Eラーニングなどビジュアル重視な学習が含まれます。

このトレンドの要因として、テクノロジーの発展による「誰もが瞬時にFactを調べられる時代」になったことや、学習理論の脳科学との融合の進歩による「効果的な学習方法の追求」に加え、世界の労働力人口の「『ミレニアル世代』から『Generation Z(Z世代)』」への照準のシフトが挙げられました。

Z世代の考え方や働き方の特長については、さまざまなところでも既に取り上げられ始めています。

ATDでは彼らの「学びの形の違い」に焦点を当て、2020年には労働人口の4割を占めることが明らかになっている今、企業では

「文字よりもビジュアル(pictures than images)」、

「携帯できる(Mobile)」、

「個人同士での相互にコミュニケーションできる(Social)」

「体験型(employee experience)」

等をキーワードにした人材育成・人材開発の学習の形への動きが高まっていることが紹介されました。

最新のATDの調査では、2016年10月時点で約600名の回答者のうち約40%が既に自社で「マイクロラーニング」を導入しており、近い将来(1年以内)に導入を検討している人(41%)も含めると、約8割が翌年までに何らかの形でマイクロラーニングを持つことになり、マイクロラーニングの浸透の早さが見えてきます。

  • Tony’s Specials”として紹介されたATDの調査レポートやソーシャルラーニングについての書籍。
    ATD STOREで購入可能です。

【基調講演】宇宙飛行士Kelly兄弟「挑戦は難しいからこそ立ち向かえ、近道などない」

本日の基調講演はMark & Scott Kelly氏です(”To Infinity and Beyond! Extraordinary Life Lessons From the Kelly Brothers”)。宇宙飛行士になるだけでも相当な能力が必要な中、兄弟がこれを成し遂げることのできた方法について話されました。

2人はこれまでの目覚ましい実績を「生まれ持った才能」ではなく、常に高い目標を持ち、それを達成するための計画を持ち、努力し続けた結果であることを語りました。

航空学校でこのキャリアが適していないのではと言われても諦めず練習し続けたこともその一例。

「初めのうちの出来なんてその先の何を示すものでもない」

“How good you are at the beginning of anything you try is not an indicator of how good you will become.”

「簡単なことは誰にだってできる。だからこそリスクをとるんだ」

“Anyone can do the easy things”—so take those risks.”

これらの言葉は、講演後、他のセッションの参加者の会話の中でも、自信とやる気を引き出しているようでした。


ATD講演者David Yesford, Carl Eidsonもブースにおります。お気軽にお立ち寄りください。

ウィルソン・ラーニングのブースは#1214になります。

【ATD Forum】“ Designing Performance Improvement Experiences—Stakeholder Mapping” Stakeholder Mappingとは?考え方と活用方法

ATD Forumでは企業や政府などの人材開発・組織開発部門の代表による体験型セッションです。

各テーマについてアクティビティや意見交換を通して、「実際の仕事経験(Experiential learning)」にする方法を参加者同士で考えていきます。ATD Forumへの参加は様々な企業の取り組みを直接話し合うことができることも醍醐味です。

今回参加したテーマは「ステークホルダー・マッピング:Stakeholder Mapping」についてです。

仕事で何か遂行したい時、多くの場合は一人で完遂することはなく、さまざまな人を巻き込む必要はありませんか?

たとえば、プロジェクトマネジャーの場合、財務部門、品質部門、チームメンバー、マーケ、顧客など・・・・

それぞれ影響力も違い、物事に対する姿勢や役割もさまざまでしょう。私たちの仕事の多くの時間が、この利害関係者とのやりとりが占めていると言えるのではないでしょうか。それぞれが異なる考え持ちながらも、一緒に同じ目標に向かって働くためには重要なことです。

参加した多くの企業の人材開発部門担当者が、ステークホルダーマネジメント自体を「難しく、多くの技術と経験を必要とする領域」と考え、このセッションに参加していました。

私たちの仕事を取り巻くステークホルダーをマッピングできる力を持ち、各関係者の多様性、互いの関係性や利害を理解し上手くコミュニケーションをとることが私たちの仕事の生産性を上げることにも繋がります。

実際に参加者の私たちもフレームワークを腹落ちさせるためにマッピングに挑戦してみました!

ウィルソン・ラーニングでもこのStakeholder Mappingを扱うコースを用意しています!

◆ ATDホームページ:https://www.td.org/

■ レポート

浅井 綾子
ウィルソン・ラーニング ワールドワイド株式会社
プログラム開発担当(米国駐在)
米国ミシガン州立大学コミュニケーション学部卒、同大学院修了。異文化コミュニケーション、医療・公衆衛生分野を対象としたヘルス・コミュニケーションを中心に研究。在米日本語補習授業校 初等部教師、日系医薬品開発業務受託機関(CRO)での勤務(クオリティマネジメント、メディカルライティング)を経て、2015年ウィルソン・ラーニングワールドワイド株式会社に入社。2017年5月より同社米国支社に駐在。

2017ATDレポート

ATD最終日!5/24参加講演報告 「ATDから見えてくる最新の『脳科学』、『働き方』が人事のあり方を変える理由」
5/23参加講演報告 「組織変革にもっとも重要なこととは?」
5/22参加講演報告 「ATDから見る人材育成のトレンドは?」
5/21講演報告「L&D Best Practices: 5 Approaches to Be More Strategic」
What is ATD 2017