現場負担軽減と「2年で自立する営業人財育成」の両立を目指し、教育プログラムを刷新

ダイワボウ情報システム株式会社
人事部 岩瀬 卓 様
人事部 大本 昌史 様

2024年2月21日

ご利用サービス

  • 上記を組み合わせたカスタマイズプログラムをご提供しています。

ダイワボウ情報システム株式会社は、IT関連商品を取り扱う地域に密着した国内最大級のディストリビューターです。
日本全国に拠点を置き、約1,400社のメーカーから商品を仕入れ、国内19,000社に及ぶ販売パートナーを通じて全国すみずみまで世界中のIT関連商品の販売を行っています。
同社では人財育成に力を注ぎ、1990年代からウィルソン・ラーニングのプログラムを継続利用。このたび、既存のプログラムを再編し、若年層社員のスキル平準化を目指し統一の教育スキームを構築。3年育成計画を立て、2023年より新たなプログラムを始動しました。

課題・背景

  • 若年層の営業基礎力育成のために1990年代からプログラムを導入。
  • 「2年で自立する」を目指し、基礎研修とOJTの2本柱で育成。
  • OJT内容の差、OJTの高負荷が課題となり、現場での自社独自のOJT勉強会が廃止になる。

支援内容

  • 1年目の営業社員にプログラムを実施。長期にわたり若年層の育成をサポート。
  • SSFを中心に現場のニーズに沿ってカスタマイズしたカリキュラムを提供。
  • 廃止された自社独自のOJT勉強会を統合した研修プログラムの構築をサポート。

課題・背景

  • 【Q】どのような課題がありましたか?

現場の負荷を軽減しつつ部署間の教育差をなくし、全社統一の教育プログラムを開始

岩瀬: 弊社は新卒採用数が多く、若年層の育成に力を入れており、2年で自立した営業パーソンになることを目指して育成を行っています。
1982年に設立して以来、成長を続け、規模が急増する状況において会社として一貫した営業方針を立て、根幹となる営業スキルの基礎教育を実施するという課題がありました。そこで、ウィルソン・ラーニングの提供するプログラムを導入。

1年目はプログラムを通して弊社の営業に必要な心構えや営業スキルの基礎を教え、2年目は配属先の営業部にてOJTを行い、ソリューションセールスに必要なスキル研修を現場で行うという流れが、長年採用してきた教育スキームです。

大本: OJTは習得度も高く、2年間で会社の求める人財育成ができていたと思います。
しかし、トレーナーを現場に一任していたこともあり、部署間の教育差が出てしまうこと、何より、教育を行う現場に負荷がかかり過ぎてしまうという問題がありました。

岩瀬: そのような状況の中、働き方改革の推進などの課題が加わり、勉強会が廃止になったのです。
OJTで行う勉強会はダイワボウ情報システムの営業文化の核となる内容だったので、廃止による若年層のスキル低下への危惧や存続を求める意見もありました。

大本: 私はこの問題を解決しつつ、部署間の教育差をなくして全社統一の教育スキームを構築するという命題を持って営業部から人事部に異動してきました。

廃止になった勉強会の内容を既存プログラムに取り込み・再編できないかと考えて、基礎教育に後輩指導を加えた「3年間で若年層を育成する計画」を考案したのです。そして、ウィルソン・ラーニングのサポートのもと、ソリューションセールスの重要なメソッドを融合したカリキュラムを再編し、2023年度より新たなプログラムを実施しました。

  • 【Q】ウィルソン・ラーニングを選び続ける理由を教えてください

卓越した営業理論と企業の特色を理解した手厚いサポートが継続の決め手

岩瀬: 弊社が扱う商材や営業スタイルをよく理解してくれていることと、講師陣も含めた手厚いサポートが、長期にわたり継続する理由です。

20年以上の実績があるので、プログラムのメソッドがすでに社内文化として定着しています。もし、急に異なる営業理論を採用すれば、社内に混乱や動揺が生じます。
ウィルソン・ラーニングの持つ卓越した営業理論は、弊社に必要な成長要素だと感じていますので、この営業理論を営業力の根幹スキルとして定着させ続けたいと考えています。

大本: 実際に研修で学んだ営業スキルに関する用語やトークスクリプト、メソッドなど、教わったもののすべてが自分の血肉になり、営業力の基礎を構築する土台になっていると実感しています。
営業において重要かつ何年たっても変わらない普遍的なメソッドを安定して提供いただけるのも魅力ですね。

岩瀬: 講師陣は社員のこともよく理解していて、積極的にサポートしてくれるのも良い点です。
例えば、研修実績の浅い会社ですと、ロールプレイの評価で一般論的なフィードバックを受けることがありますが、ウィルソン・ラーニングなら、弊社の営業理念に合わせたフィードバックや、先輩社員の成功・失敗体験のエピソードを交えながら進めてもらえるので、受講者も自分ごと化しやすいというメリットがあります。

大本: 今回の再編にあたり、カリキュラムの要望に対する迅速な回答や、現場のニーズに沿ったカリキュラム案や講義とロールプレイをうまく使い分けた実施方法を提案いただけたので非常に助かりました。柔軟かつ真摯に対応する手厚いサポート力を信頼しています。

支援内容

  • 【Q】導入にあたり苦労した点をお聞かせください

カリキュラムの取捨選択の困難を超えて生まれたプログラム

大本: 現場で実施していた勉強会の内容や弊社独自のエッセンスをどのようにカリキュラムに落とし込んでいくか、非常に悩みました。全体の構造や年次ごとのカリキュラムの他、開催時期、実施回数、対象人数など、何度も議論を重ねています。
その結果、3年間の成長目標として、1年目は営業力の基礎固め、2年目はスキルの応用と実践、3年目は後輩の育成指導をゴールにしたカリキュラムが完成しました。

岩瀬: 弊社の営業として、「お客さまに愛されるスキル」は最も重要なスキルです。お客さまに愛される営業になるためには、お客さまのご要望や質問などを聴く力、そして、伝える力を養うことが必須になります。1年目は、顧客訪問時のマナー、営業としての心構え、会社の看板を背負っているという自覚、困難な事態に直面した時の対処法などのマインドセットに重点を置き、会話の切り出し方といったコミュニケーションスキルを重点的に組み込みました。
ルートセールスの特徴を織り交ぜながら、受講者にどう伝えるのか試行錯誤しましたが、ウィルソン・ラーニングの研修は、「なぜそれを行うのか?」「なぜそれが大切なのか?」を系統立てて教えるので、自分ごと化しやすく、受講者にとっても浸透しやすいカリキュラムになっていると思います。

大本: 一般的な新規開拓営業とルートセールスでは重点を置くプロセスが異なりますから、カリキュラムを構成する既存のコンテンツの中には、現場のニーズにそぐわない部分も出てきます。取捨選択は非常に苦労しましたが、カリキュラムの一部を変更してほしいという要望にも柔軟に対応して代替案を提示いただけたのは非常に良かったです。

  • 【Q】導入して良かった点をお聞かせください

若年層のスキル低下の危惧を払拭、一貫性のある社員教育の実現を目指す

岩瀬: 弊社は教育に対する熱量が高く、上司先輩が小規模な勉強会を実施するという風土が醸成されています。教育に対する危機意識や結果にコミットする意欲は高く、裁量のあるメンバーが中心となってエリア別の勉強会が開催される文化が脈々と受け継がれてきました。

しかし、働き方改革の推進の中、そのような勉強会が縮小になり、営業や人事だけでなく役員からも若年層のスキル低下を危惧する声が上がっていましたが、現場にこれ以上の負荷をかけられないというジレンマがありました。

大本: 改善の取組みとして、1年目に3度の集合研修を行いましたが、研修内容と現場経験のタイミングが難しく、入社1年目に難易度の高い研修を行っても浸透せず、解決策を求めていた状況でしたので、今回の取り組みにより、各所の不安や不満感は払拭できたと思います。
社員の成長を感じたプログラムが完成したことで、教育格差や支店間の温度差をなくして全社統一の教育体系を構築するという命題についての一つの答えが出せたと思っています。

効果・成果

  • 【Q】どのような効果・成果がありましたか?

実施することで改善点は見えてくる。走りながらブラッシュアップ

大本: 入社して右も左もわからない状態から、上司先輩の指示を理解し自発的に行動を起こせるまでの育成プロセスが構築できたことは、非常に大きな成果です。
とはいえ、まだ実施1年目なので改善点はあります。継続することで周囲への認知も広まっていき、具体的な研修効果はこれから徐々に把握できるのではないかと思います。

岩瀬: 新しい取り組みには成功も失敗もあると考えています。
2年次のカリキュラムで言えば、「多様な顧客対応」の内容は、この時期の受講者の顧客経験値を考えるとまだ早かったため、内容を見直す必要が生じています。
一方、クレーム対応に関するカリキュラムは、受講者の悩みや不安が生じるタイミングと開催時期が一致したので、非常に好評でした。

こうした反省点をふまえて、カリキュラムの見直しや開催時期の検討など改善を重ねていきます。「走りつつ考えよう」という社訓の通り、現状に満足することなく、より良い研修プログラムの提供に向けて試行錯誤していきます。

  • 【Q】今後の展望についてお聞かせください

研修効果を高めるために営業と人事の両輪でサポートする仕組みを作る

岩瀬: 今回のプログラムは、ダイワボウ情報システムの営業社員を育成するための総合的なプログラムだと考えています。
研修は一時的なものではなく、2年、3年と継続していくことで一貫性のある社員教育が実現できると思います。会社としても若年層の教育を重要視していますので、今回のプログラムを営業スキルの根幹として浸透させていきたいです。

大本: 研修で学んだことを現場に戻って実践して初めて研修効果が得られますから、学んで終わりではなく、研修で得た知識やスキルを発揮できる場を作っていきたいです。
また、若年層の育成に対して現場との連携があまり取れていないので、積極的に連携していきたいですね。

カリキュラムを共有して、現場でどのように発揮してほしいのか、そのためにマネジメント層からどのように行動変容を促し、どのような声かけをしてほしいのかなどを伝え、現場からフィードバックをもらって活用していけるように、営業と人事の両輪で育成をサポートする仕組みを作っていきたいです。
今後もウィルソン・ラーニングと協力体制をとりながら、研修効果を高めることに注力していきます。