営業力強化は理想と現状のギャップを知るところから始めよう

2024年4月17日

企業が営業力の向上を追求する中で、近年「見える化」というキーワードが注目を集めています。
しかし、「営業力の見える化」とは具体的にはどういうことでしょうか。
実は、「見える化」という言葉は、人によってイメージする内容が違うことが多いようです。
本記事では、営業力強化のための「見える化」について解説するとともに、ツールを使った「営業力の現状把握調査」の効果・メリットについてお伝えします。

2種類の「営業力の見える化」

「営業力の見える化」は、大きく2つに分類できます。
1つは「あるべき姿(未来)の見える化」、もう1つは「現状の営業力(現在)の見える化」です。

「あるべき姿の見える化」の効果・メリット

まずは「あるべき姿の見える化」について、整理をしておきましょう。

「営業」という役割に限って言いますが、「あるべき姿の見える化」の方向性は以下の2つです。

  1. 期待人材・能力の定義:営業人材に求められる期待人材像や能力要件を定義する
  2. プロセスの定義:営業プロセスを定義し、そこで必要となるスキルを整理する

期待人材・能力の定義の効果・メリット

「期待人材・能力の定義」とは、営業人材に期待される役割や求められる能力要件を定義して示すことです。期待人材・能力の定義を行うことで、営業担当者は自己の能力開発の方向性を理解し、営業マネジャーと共有することができます。また、組織としては、定義した能力要件に研修を紐づける形で育成体系の構築につなげることができます。

プロセスの定義の効果・メリット

一方、「プロセスの定義」とは、属人的になりがちな営業活動を整理して、標準化された営業プロセスとして定義することです。プロセスの定義を行うことで、効率的な営業活動を展開したり、営業活動のあり方を刷新したりすることができます。
また、営業活動の現状を共有し分析する際に、組織内で共通の言語を用いるようになるので、営業マネジャーとしては指導や関与がしやすくなるという効果も期待できるでしょう。

「あるべき姿の見える化」の具体例

営業力の向上のために、どちらの「あるべき姿の見える化」が必要とされているのかは、そもそも営業力の向上が求められるようになった背景や組織のカルチャーなどによって異なります。
あなたの組織で営業力強化のために「あるべき姿の見える化」をするとしたら、どちらの「見える化」がより適しているでしょうか?

  • 将来的に求められる期待人材像を提示することで、能力開発の方向性を共有し、育成の指針とする
  • 育成体系を整理して、自律的に学び・行動する人材を育てることで、全体のレベルアップを図る
  • 営業プロセスを刷新することで、新しい戦略の遂行を確実なものにする
  • 営業プロセスを標準化することで、営業担当者をある一定レベル以上にするともに、マネジャーが営業プロセスに基づいて指導・関与できるようにする

「現状の営業力の見える化」の効果・メリット

組織の営業力において「あるべき姿の見える化」ができたら、次は自組織の現状を把握する必要があります。
現在組織はどのレベルにあるのか、あるべき姿とのギャップを把握し、課題解決に向けて具体的な施策を検討していきます。

組織の現状(あるべき姿とのギャップ)を把握するには、「あるべき姿」を元にしたアセスメントを実施する必要があります。

「あるべき姿」を踏まえたアセスメントを最初から開発するのもよいですが、「あるべき姿は定義されていない」あるいは「施策検討のために、一般的な営業の能力要件(もしくは営業プロセス)を使って現状を把握したい」というケースもあるでしょう。

そのような場合は、標準版の営業力調査ツールの活用をお勧めします。

「あるべき姿」は必ずしも自社オリジナルである必要はありません。
自社の営業活動や営業担当者に求められる能力要件が表現されていれば、標準版を使うメリットは大きいでしょう。標準版を導入されたお客さまからは、スピード感をもって現状が把握できる、データベース平均との比較ができるというメリットをよく伺います。

営業力向上カルテとは

ウィルソン・ラーニングが提供する標準版の調査ツールには、2つの「あるべき姿」と同様に、営業担当者に求められる能力要件を測定するものと、営業プロセスごとの活動状況を測定するものがあります。

ここでは営業担当者に求められる能力要件を測定する営業力調査ツール、「営業力向上カルテ(SPMS)」についてご紹介します。
本調査ツールは、営業担当者やマネジャーに対して多面的な評価を行い、レポートします。

営業力向上カルテの評価内容

主な評価内容は以下の通りです。

  1. 営業担当者の能力要件を測り、スキルレベルを診断する
    営業活動を支える12の能力要件について、営業担当者と上司が評価し、営業担当者のスキルレベルを3つの成長フェーズに分類・診断します。12の能力要件は、ウィルソン・ラーニングが長年にわたり営業担当者の能力開発に取り組んできた経験をベースに、優績な営業担当者へのヒアリングを実施し、アップデートしています。
  2. 営業マネジャーの育成・指導の状況を測る
    ふだんのコミュニケーション、セールスプロセスへの関与、コーチング、価値創造への取り組みの観点から、マネジャーの育成・指導の状況を把握し、営業マネジャーにフィードバックします。
  3. 顧客の営業活動に対する認識や満足度、今後の期待や取引意図を測る
    顧客の営業活動に対する認識や満足度と営業担当者のスキルレベルの評価を分析することで、顧客満足向上のために重要な能力要件が見えてきます。

まとめ

営業力強化のための「見える化」は、「あるべき姿の見える化」と「現状の営業力の見える化」の2段階があることを意識して進めるとよいでしょう。
その際、「期待人材像や能力要件」といった営業担当者に求める姿を広く網羅的にとらえて進めるのがよいか、営業担当者にとって中心的な活動となる「営業プロセス」にフォーカスして進めるのがよいかは、それぞれの組織のカルチャーやニーズによって変わってくるでしょう。

また、「あるべき姿」は必ずしも自社独自の定義を持たなければいけないわけではありません。標準的な営業力調査に定義されている能力要件や営業プロセスを「あるべき姿」の仮説として置き、現状のスキルレベルを把握するというやり方でも、組織の営業力の現状を把握することはできます。

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