【開催レポート】ヒアリングから見えてくる「これからの新人・若手営業育成」11/25

2021年12月22日

  • 本レポートは2021/11/25に開催したオンラインセミナーのレポートです。

コロナ禍で働き方や育成の仕方が変わりつつあります。
2020年度の振り返りでは、同行営業の機会や、観察・フィードバックの機会が減ったことにより、新人・若手営業の立ち上がりが遅くなっているということを、よくお聴きしていました。
では、今年度はどうだったのでしょうか? あらためて各社にインタビューさせていただきました。
その結果、コロナ前(2019年度)と比較して、むしろ立ち上がりが早くなっていると実感している企業が多数あることがわかりました。
昨年度の振り返りをもとに、育成施策を工夫したことが寄与しているようです。
一方で「成長度合いの個人差が開いている」という課題もうかがえました。

本レポートでは、各社の取り組みや現在の課題認識、またこれからの新人・若手営業の育成を考える上でウィルソン・ラーニングが重要だと考える観点について、ご紹介します。
改めまして、フォーラムにご参加いただいたみなさま、インタビューにご協力いただいたみなさまに御礼申し上げます。

今年度、新たに始めた取り組み

次のような新しい取り組みをされ、以前より新人営業の立ち上がりが早くなっていると実感されている企業が多数ありました。

研修期間を長めにとる

  • これまでより研修期間を長めにとってていねいに行い、間に実践を挟んで知識やスキルの定着を図った。

オンラインでのフォローアップ学習実施

  • 新人研修で詰め込みすぎだった内容を、オンラインで繰り返しフォローアップすることで補完。
  • モチベーション維持やリテンションを目的に、短い時間でもフォローアップの機会を増やし、コミュニケーションがとれるようにした。
  • 関係者に依頼し、直接会うことが難しい遠隔地の先輩に話をしてもらうなど、オンラインの特性を生かした工夫をした。

チームでの学習を推進

  • 同期や同僚のチームを組み、定期的にチーム内でインプットやアウトプットを継続的に行った。

コロナ前との比較や現在の課題認識

  • 同行して学ぶ機会や電話対応など、先輩社員を観察する機会が減っている。
  • 多くの業務がオンラインになったことで、孤立感や疎外感を抱いている。
  • その結果、営業の面白さを感じる機会が少なく、モチベーションの維持が難しくなっている。
  • チーム内外でのコミュニケーションが減少し、なんでも相談できる関係性が築きにくくなっている。
  • 一方で、主体性が大事なことを自学して自ら周囲に働きかけているケースも見られ、成長度合いの個人差が開いている。
  • 面談もオンラインとなるため、マネージャーが指導しづらくなっている。
  • 忙しいマネージャーに代わって、チームで育てることも重要

現場にいれば情報が入ってくる環境から、自分から相談したいことを発信し、情報を取りにいかなければならない環境に変わりました。
このような現場の変化を踏まえ、学びの環境をどのようにアップデートしていくのがよいか、試行錯誤しながら取り組んでいらっしゃる現状がうかがえます。

これからの新人・若手営業の育成 3つのポイント

今回のヒアリングを通じて、これからの新人・若手営業の育成を考える上で重要なポイントは3つあると、ウィルソン・ラーニングは考えています。

  1. 主体的な学び手の育成
  2. 学び合うチーム作り
  3. 上司の効果的な関与

これら3つのポイントについて、フォーラムでお話ししたことの一部をご紹介します。

  1. 主体的な学び手の育成
    人は「自分自身の問題を認識した時」に自ら学ぼうとする意欲を持ちます。とすると、どうやって問題を自分事としてとらえ、その問題の解決策としての「学び」を自ら立ち上げることの重要性に気づかせるかが、大切な観点の一つと言えます。

  1. 学び合うチーム作り
    学習したことを実践に結びつけ成果につなげるためには、Peer Learning(同僚同士の学び合い)が重要な要素であることは弊社リサーチからも明らかですが、同じ年次の「チーム」で学び合うことも、主体性を発揮し、やがて職場での学習会を自ら主催するなどの行動にもつながるという点で重要だと考えています。
    学び合うチーム作りを支援する際のポイント。
    • 学習の軸:何を学ぶのか・・・共通言語とゴール設定
    • 学習の型:どのように学習するか・・・進め方
    • 学習の核:コンテンツの提供・・・学びの素材
  2. 上司の効果的な関与
    疲弊するほどにますます多忙になっているマネージャーですが、現場での学びや営業活動のプロセスにおいて、直接・間接に関与できる場面は実際には多くあるのかもしれません。
    個々の営業に対してだけでなく、チーム学習が進められるような関与、現場で学習しやすい環境をつくるための関わりも、今後はマネージャーに求められることになってくるでしょう。この点では多忙な上司が抱え込まず、若手育成に関わる上司以外の人間の育成も一緒に考えていくべき課題と言えます。

ウィルソン・ラーニングでは、トレーニングを通じて、問題を構造的にとらえ、解決策としての学びを自ら立ち上げる体験をできるよう、支援しています。
また、チームでの学び合いを支援するノウハウや、学習の核として現場でご利用いただける動画コンテンツ、個々の営業担当者に効果的にコーチするための営業マネージャー向けのプログラムや、現在のコーチングスキルを客観的に把握していただくためのロールプレイアセスメントなどを提供しています。

徐々にですが、職場に社員を戻す動きも出ています。働く環境も含め、現在は次年度の施策を検討しているところではないかと思います。本フォーラムの詳細資料をぜひお役立てください。

詳細資料はこちら