2021年の組織開発・人材開発の注目テーマは
「エンゲージメントの醸成」
ウィルソン・ラーニングでは、2月に「2021年 組織・人材開発のあり方調査」を実施し、今期の人材開発施策における課題や準備状況について企業の動向を調査しました。調査の結果、優先順位の高い課題として「マネジメントの強化」についで「エンゲージメントの醸成」と回答する企業が多いことがわかりました。
「まずはエンゲージメント調査から始めたが、調査で明らかになった組織の状態を改善していくために、どのようなアプローチをとるべきか悩んでいる」という相談を受けることが多くなったことからも、エンゲージメントに対する課題意識が伝わってきます。
今回のフォーラムでは、そのようなみなさまの声を受けて、エンゲージメント調査後の施策についての弊社の取り組みを、事例を交えながらご紹介させていただきました。参加者からの生の声とともに当日の様子をご紹介します。
「エンゲージメントの醸成」の取り組みはなぜうまくいかない?
リモートワークを実施する企業が多くなり、コミュニケーションの難しさを感じている中、2021年の組織開発の課題として「エンゲージメントの醸成」が上がってきた今回の調査結果には、参加者の皆さんも納得のご様子でした。すでに調査など何らかの施策には着手している企業も多い中、取り組みやエンゲージメント施策における課題については以下の声が挙がりました。
- エンゲージメント調査を実施しているが、戦略とリンクさせた中でエンゲージメントをどう位置づけていくか。
- 調査をやりっぱなしで、フィードバックは職場のマネジャー任せになっていた。
- 調査を実施しているが、意図が現場に伝わっていないのでなかなか(結果が)改善されない。
- 管理者層の負担増に伴い、管理者の自発性が失われつつある。
調査はしたものの、その後は現場任せになっていたり、そもそも「エンゲージメント」という考え方が社員に浸透していなかったり、マネジャーへの負担を懸念される方が多くみられました。エンゲージメントの高い組織になるためには、まずは「エンゲージメントの高い状態とはどういうものか」について考え、社員全体で共有する必要があるようです。
昨年度、弊社ではお客さまと共同で「エンゲージメント研究会」を発足し、各社の事例を持ち寄りながら「エンゲージメント」について議論を深めました。同研究会でのディスカッションやお客さまからいただくご相談を整理すると、施策を実行していく際、以下の4つの課題に直面しがちということがわかりました。
課題①:認識のばらつき |
課題②:手段が目的化 |
課題③:メンバーの当事者意識の欠如 |
課題④:キーパーソンへのサポート不足 |
これらはフォーラムの参加者から挙がった課題とマッチする部分もあり、「エンゲージメントの高い状態」を作っていくためにはこの4つの課題から着手していくことがよさそうですね。
そもそも「エンゲージメントの高い状態」とは?
「エンゲージメント」とは「愛社精神」や「働き甲斐」などさまざまな捉え方がありますが、私たちウィルソン・ラーニングでは、「エンゲージメントの高い状態」について2つの軸で測ることができると考えています。一つは「組織・変化に対する見方」が肯定的であるかどうか、もう一つは「エネルギーの発揮度合い」が高いかどうか。これらを合わせて「組織・変化に対する見方」が肯定的で、「エネルギーの発揮度合い」が高い状態を「エンゲージメントの高い状態」と捉えています。
このイメージをチームで共有しながら施策に取り組んでいくことが、エンゲージメントを高めるうえでは非常に重要です。しかし、ここでまた社員の皆さんが疑問に思うことがあります。
「エンゲージメントは何のために高めるのか」
皆さんの組織でも、エンゲージメント施策に取り組んでいるうちに、調査結果に一喜一憂して何のために取り組んでいるのかわからなくなってしまうことはありませんか? 課題②にもある通り、本来戦略を遂行するための手段としての「エンゲージメント」の向上が、いつの間にか「エンゲージメントの数値が高い状態がゴール」になってしまうことが多くあります。これでは現場も疲弊してしまいます。施策に取り組むにあたり、「エンゲージメントの高い状態」は、ビジョンを実現するための手段であり、ゴールは別にあることを忘れないようにしなければなりません。
エンゲージメント調査、その先に・・・
ウィルソン・ラーニングでは、調査のその先にある戦略の遂行などを達成するための手段として「エンゲージメントの高い状態」を作る、つまり社員が互いに影響を与え合い、変化に対応し、組織が目指す状態を実現するために自発的に行動していく……そのような「エンゲージメントカルチャー」を醸成するためのお手伝いをしています。
本フォーラムでは、ウィルソン・ラーニングのプログラムについて実際の事例を用いてご紹介をさせていただきました。プログラムについてご興味・関心のある方は、当日の資料をダウンロードしていただくことができますのでご参照ください。