ご利用サービス
- CSP カウンセラー セールスパーソン
- MSP マネジメント セールス プロセス ほか複数のプログラムをご提供
メドライン・ジャパン合同会社は、米国最大規模のトータルメディカルサプライヤ-、メドライン社の日本法人です。
世界中で愛用されている手術用のガウン、マスク、樹脂手袋、キャップなどを中心に、30万点以上のさまざまな「MEDLINE」ブランドの製品を病院・小売り向けに製造・販売しています。差別化が難しいといわれる医療製品の販売を行う営業パーソンの営業力強化に向けて、2004年よりウィルソン・ラーニングの主力プログラムであるカウンセラー セールスパーソン(以降CSP)を継続採用。プログラムのメソッドを「組織カルチャー」として定着させることに成功しています。
導入の背景や研修実施に関する過去のインタビュー記事はこちら
課題・背景
- 営業力強化のために2004年にCSPを導入、約20年にわたり継続中。
- さまざまな工夫で受講意欲を高め、プログラムのメソッドを営業力の根幹として定着させる取り組みを実施。
- 長い年月をかけて、プログラム内の用語が営業本部内の共通言語になるほどの組織カルチャーの醸成に成功。
支援内容
- 3年目前後の若手営業担当者に対するプログラムの実施。
- 定期的にフォローアップ研修を行いスキルの定着をサポート。
- 現場のニーズに基づいて必要なタイミングで継続的なサポートを実施。
課題・背景
- 【Q】どのような課題がありましたか?
製品を売るのではなく、お客さまのニーズを満たす提案をする
弊社が扱う製品は、汎用品と呼ばれる手術用手袋、マスク、不織布製品、ドレインチューブなどのコモディティ化された製品です。製品の差別化は難しいが、価格競争に巻き込まれたくはない。そのために営業力の強化は必須でした。
業界トップシェアを目指して成長し続けるためには、営業スキルの根幹となる一つの強固なスキルを組織内に定着させることが必要だと考えていた矢先に、CSPを知りました。
弊社は「製品を売る」という姿勢ではなく、「病院が抱える課題を親身になって傾聴し、一緒に解決する」という姿勢を持つことを大切にしています。バリュー・プロポジションの一つでもありますが、お客さまのニーズを満たす提案をするために、今、病院側が何に問題意識を持っていて何を解決したいのかを正確に把握することに重点を置いています。
その点、CSPのスキルとプロセスは弊社のビジネスモデルに合致しており、私が営業本部内に浸透させたいと思っていた営業スタイルや成功事例との共通点が非常に多く、親和性を感じました。私が営業本部長に就任した翌年の2004年に導入して以来、約20年にわたり、研修を継続しています。
- 【Q】ウィルソン・ラーニングを選び続ける理由を教えてください
組織内の共通言語になるまで学びと実践を繰り返すための基盤
このプログラムは部内で扱うどの研修よりも受講者からの満足度が高く、受講者自身もスキルの重要性と必要性を実感していることが継続理由の一つです。
研修対象者は入社2〜3年目の営業パーソンですが、OJTが終わり、現場で経験を積み重ねてちょうど壁にぶつかる頃に受講することで、プログラムのメソッドが腑に落ちて理解が深まると考えています。
研修はやらされるものではなく主体的に学ぶ意欲を持って受講することが大切です。
また、一時的に受講させるだけでなく、長い年月をかけて組織内の共通言語になるまで学びと実践を繰り返し続けることも必要だと思います。
研修受講者がマネジャーになり、部下にスキルの効果や成功体験を伝授していくことで部内に浸透し、今ではプログラムで使われている用語が部内の共通言語として飛び交っています。そうした背景もあり、入社した営業パーソンたちは「上司や先輩たちから常々聞いている研修を早く受講したい!」と楽しみにして期待に胸を膨らませています。
受講対象者として選抜された時は「先輩から聞いていたCSPをいよいよ受講できるぞ!」と、やる気と高揚感を持って受講してくれていますし、受講後は「どんな研修なのか楽しみにしていましたが、期待通りでした!」という声を多く聞きます。
教える講師の力も大きいですね。メドラインのビジネスモデルや社風をよく理解してくれ、メドラインのプロダクトの特徴をふまえて教え方に工夫を凝らしたり、医療現場に即した例題動画を用意したりと、手厚くサポートしてもらっています。ウィルソン・ラーニングには、長年にわたり我々の望むようなタイミングや研修内容で継続的なサポートをしてもらえているので、非常に満足しています。
支援内容
- 【Q】導入にあたり苦労した点をお聞かせください
目に見えない「人を育てる」ことの費用対効果と実績の証明
当初は、研修を行う必要性とCSPのスキルの重要性に対する理解を得ることに苦労しました。
何十年も営業を経験して成果を上げてきた課員にとっては、今さら研修を受講することに対する抵抗感や反発感もありましたが、熱意を持って繰り返し説明することで理解を得られ、徐々に組織内に定着していきました。
また、研修は受講後即売り上げが上がるというような目に見える結果として数値化できるものではありませんが、会社として費用対効果をどう示すか、予算確保をどのように行うかなど、財務や経営層への説明は苦労しました。
メドラインは企業カルチャーを大事にし、人を育てることを重要視しています。
外資系は即戦力採用が基本なので、製品知識に関する研修はあっても営業スキルに関する研修をここまで手厚くしている会社は珍しいと思います。研修を受講させるということは会社としても期待しているということですから、素直に実践して成果を上げていく姿を見ると非常に嬉しいですね。
- 【Q】スキルの定着に向けて工夫した点をお聞かせください
スキルチェックシートと管理日報にプログラムのプロセスを反映
導入初期は、ウィルソン・ラーニングにサポートしてもらいながら、研修実施の3ヶ月後、6ヶ月後のタイミングで定期的にフォローアップ研修を実施していました。現在は、社内の認定者がフォローアップ研修を行う体制を整えており、スキルの定着に向けて、定期的にフォローアップ研修を実施しています。
研修後の充実感や知識の定着感はあっても、本当に現場で使いこなせているのかを測ることは課題でした。そこで、CSPのプロセスに基づいたスキルチェックシートを作成し、OJTで習得したスキルを実践できているか確認しています。
例えば、病院に訪問してお客さまのニーズを伺ったと思っていても、実はその前段階の『信頼関係を作る』というフェーズで躓いていることもあります。お客さまの不信感を取り除けていないがゆえに本心を聞き出せず、真のニーズを把握できていないというケースもあります。
スキルチェックでいち早く現状に気づき、CSPのプロセスに立ち戻ってスキルを活用していくことでスキルが定着し、よりお客さまの立場に立ったご提案につながっていくと思います。
誰にでも得意・不得意はありますから、育成にも力を注げるように、営業マネジャーが支店マネジメントに結果を報告し、組織内でのスキル定着の判断材料として共有して人財育成に関するPDCAを回すように努力しています。
また、営業活動の管理日報の項目をCSPのフェーズに合わせて構成することで、CSPのプロセスとの関連性を持たせています。そうすることで、自分が今どのフェーズにいて、何ができていて、何ができていないのかを把握することができます。会社全体としても、お客さまごとに営業活動のどのフェーズにいるのかは常に意識していますし、どのスキルに重点を置けば良いのかを常に意識するように指導しています。
- 【Q】導入して良かった点をお聞かせください
効果を実感したかつての受講者が部下に教え、やがてカルチャーとして根付く
研修で学んだことを吸収して純粋に取り組み、確実に成果を上げているので、受講者自身がプロセスの重要性やスキルの効果を実感していることは間違いないと思います。
各支店を訪問すると、研修のノートを縮小コピーして手帳に貼って毎日見直している人を何人も見かけますし、マネジャー層が率先してテキストを見ながら部下に教えている姿を見ると感慨深いですね。かつての研修受講者がマネジメント層になり、CSPのスキルが脈々と部下に受け継がれ、組織カルチャーとして根付いているのだと実感しています。
効果・成果
- 【Q】どのような効果・成果がありましたか?
訪問件数や成約率の向上、コンタクト先の広がりが顕著に
基本のコンタクト先が手術室の看護師のみだったのが、学びと実践を繰りかえすうちに院内事務の責任者、ドクター、院長などアポイントを多方面に取れるように変化するケースなどです。
営業力の根幹となる『聴く力』や『問題を認め合う』スキルが養われ、本当にアプローチすべき人を見極める力、さらに、相手に合わせて対応する柔軟性や可能性を広げる力もつき、それにより、訪問件数や成約率が確実に上がっています。これも、長期にわたり研修を実施し続けて部内に浸透させてきた成果だと思います。
また、以前であれば2回目以降の訪問を断られていたが、研修後は、1回の訪問で終わらずに複数回訪問させていただけるようになったり、最終的に成約に繋がらなかったとしても数年後にお声がけいただけたりと、長期にわたり信頼していただける関係性を築けています。
ドクター、院長、教授、経営層の中には厳しい人もいらっしゃいますので、苦手意識を持つ人もいます。しかし、このプログラムの学びを通して、事前に万全の準備を行い、訪問の目的や伝えるべきことを伝えてアポイントを取ることの大切さを学びますから、苦手意識が薄れ、やるべきことが明確になって腑に落ちたと実感している人も多くいます。
- 【Q】今後の展望についてお聞かせください
業界トップシェアを目指して価値ある提案をし続ける
メドラインは日本法人設立より二桁成長を続けています。急性期病院を中心にビジネスを展開していますが、まずは各製品においてトップシェアを目指しています。さらに今後は、介護領域や老人ホームなどの新たなジャンルへのビジネス展開を考えています。
医療現場は、医療の安定供給、少子高齢化、医師の働き方改革、物流の2024年問題など、医療業界を取り巻くさまざまな環境変化に対応することが急務となっています。
その中で我々にできることは、医療製品単体の供給だけでなく、手術に必要な製品をセットでご提供して看護師の負荷を減らすご提案や、病院内全体のサプライチェーンを把握した上でコンサルティング的な要素をふまえて包括的なご提案をしていくことです。
そのためにも、今後さらに、ヒアリングスキルは重要になります。
時代や環境はどんどん変わりますしさまざまなツールも登場しますが、つまるところは人と人。このプログラムをしっかり理解し実践していけば、競合他社に負けることはないと信じています。
医療現場の負荷を軽減する一助となるためにも、CSPをさらに使いこなし、お客さまにとってより価値のある提案をしていきたいと考えています。
- 記載の所属・役職等は、インタビューおよびイベント当時のものです。