2021年の組織開発・人材開発の注目テーマは
「エンゲージメントの醸成」
2021年2月19日、25日の2回にわたり、新人育成のこれからに関するオンラインフォーラムを開催し、合計26名にお集まりいただきました。お忙しい中ご参加いただき、ありがとうございました。
「コロナ禍だからこそ」浮き彫りとなったみなさまの課題やお悩みについて共有いただきながら進めた本フォーラムの内容と様子をご紹介いたします。
第1回レポート:今年の新人研修を成功させるには
第2回レポート:忘れてはいけないOJTリーダーの育成
第1回:今年の新人研修を成功させるには(2/19開催)
まずはアイスブレイクとして『今年の新入社員研修の実施方法』に関するご質問からスタートしたところ、「オンラインと集合のハイブリッドを予定」が最も多く、「ほぼオンラインのみを予定」が後ろを追いかける形となりました。一方で、「検討中」という回答も見られたことから、まだまだ流動的であることも伺えます。
ビジネス環境や新入社員を受け入れる体制や仕組みはさまざまですが、去年より今年とさらに良くしていくためにはどうすれば良いのか?みなさま前向きな悩みを抱えながらのご参加となりました。
今年の新人研修に向けて感じる課題とは?
1グループ3~4名に分かれて、今年の新人研修実施に向けて感じる課題について共有いただきました。一部をご紹介します。
- オンラインとリアルのバランス(設計~実施まで)
- 新入社員同士のネットワークや配属先でのコミュニケーション作り
- 心理的安全性をどのように確保すればよいか
- コロナ以前、昨年、今年と受け入れる側の態勢が大きく異なっている。新入社員側に生まれるギャップのフォロー
いかがでしょうか。これまで当たり前のようにできていたことができなかった昨年と今年では、新人の状況も、組織の態勢も少しずつ異なっていますが、どのようにギャップを埋め、教育の質を高めることができるか?みなさまにも共感できる点があるのではないでしょうか?
『新人が求めている観点』と、『受け入れる側が求めている観点』について弊社の考えをお伝えしました。
新人研修を成功させる3つのポイント
キーワードは、「基礎固め」「主体性」「一体感」
これまではオフィスに人が集まり、気軽に声を掛けられる環境の中で、先輩社員との雑談や取引先との会話など周りから情報が自然に入ってくる環境でした。
しかし、リモート環境が中心となった今は、意図的に場を設けてコミュニケーションを行わなければ、情報が入ってくることはありません。自ら共有し、情報を取りにいくことが重要です。
そこで、重要になってくるのが3つのキーワードです。
① 基礎固め:限られたコミュニケーションの中で、適切に情報を受け取り、仕事の実行につなげる力
② 主体性:不確実な状況に対して、自ら動く姿勢
③ 一体感:安心してコミュニケーションができる環境
本セッションでは、①~③に向けた弊社のソリューションや考え方、事例をご紹介すると共に、参加者のみなさまの実際のお取り組みについて意見交換の時間を持っていただきました。
人と対面で関わりながら一緒に働く機会は、今後ますます減ってくることが予想されます。
新入社員が孤独を感じることなく成長を続けるには、個人でスキルを高めるだけでなく、上司や先輩、同期とのつながりを保つことがより重要となるでしょう。
第2回:忘れてはいけないOJTリーダーの育成(2/25開催)
1回目に引き続き、これからの新人育成に関するみなさまの課題や弊社の考え方、事例についてご紹介する本フォーラム。第2回は、「OJTリーダー」の育成に焦点を当てて開催いたしました。
さっそくですが、みなさまの会社ではOJTリーダー向けの育成施策はいつ頃実施予定ですか?
フォーラムの冒頭、アイスブレイクとして「OJTリーダーの育成施策実施月」に関してご質問したところ、4月、5月に実施という回答が多く、比較的早い段階での育成を考えておられることがわかる結果となりました。一方で、OJTリーダーへの研修は実施しないという回答も見受けられました。
これまでは、業務遂行上の問題解決に関する役割が多くを占めていたOJTリーダーの役割ですが、コミュニケーションが限定的になってしまいがちな現在のビジネス環境下では、日常のコミュニケーションの『ハブ』としての役割がより期待されているようです。
コミュニケーションスキルの重要性が増していることから、早い段階でスキルとマインド両面からの育成施策が必要だと言えるでしょう。
今年のOJT実施に向けて感じる課題は?
1グループ2~3名に分かれて、今年のOJT実施に向けて感じる課題について共有いただきました。
- 集合研修が実施できなくなり、オンライン研修だけでは十分でなかった。後に配属先から指摘も。
- 先輩が後輩に専門的知識を教えることは得意だが、社会人としての観点を教えることが難しいため、対応できるOJTリーダーの人数を増やす必要がある。
- 配属先で育成面での格差が生まれていることにより、成長速度に差が出ている。OJTリーダーの育成が重要。
みなさまそれぞれ状況は異なりますが、新型コロナウイルスの影響によって、新人を育成する上でカギとなるOJTリーダーの重要性が顕著に表れているようです。
前年の経験をふまえ、どのようにOJTリーダーを育成すべきか。事例を交えながら弊社の考え方をお伝えしました。
事例:OJTリーダー支援セッション
ポイント① 問題の構造理解とコミュニケーション
問題の構造を意識しながら、コミュニケーションスキルを活用して、相手が問題を発見し、解決したいと思うように働きかけることで、今後の活躍に向けたOJTリーダーにとっての基礎固めとなる。
ポイント② OJTリーダーへのメッセージ
「何をするか」だけを伝えるのではなく、「なぜやるか」、「どのようにやってほしいか」まで伝えることが重要。
ポイント③ 成長フェーズの転換
OJTリーダーの役割は、将来のリーダーとして成長するために必要な「助走期間」と「経験の積み重ね」である。
OJTリーダーを選抜する際は、育成の視点を持って選ぶことも重要です。
そして育成施策の際には、スキルを付与するだけでは十分とは言えません。OJTリーダーのとしての役割を明確にし、的確なメッセージを送ることが、OJTリーダー自身の成長を支えます。
「自分の理由」で取り組めるよう積極的に支援することが重要な観点であると考えます。
2回にわたり実施した新人育成のこれからに関するオンラインフォーラムの内容をご紹介しました。
目前に迫る新人育成の準備は整っておられますか?
準備万端という方、準備しているがまだ不安があるという方、さまざまかと思いますが、どのようなビジネス環境においても育成を止めることなく、かつ施策の質を高めることは求められるでしょう。