【営業に効く心理学シリーズ】第8回 有能?無能?4つの分類で見る営業担当者の成長段階

2019年11月13日

営業活動を心理学の観点から紐解き、効果的な成果をもたらすヒントを、 『営業に効く心理学』シリーズ 【全17回】でお送りします。

営業担当者の成長の度合いはいくつかの段階に分けることができます。
右も左もわからない新人さんもいれば、「俺の背中を見て覚えろ!」という職人気質のベテランまでさまざまですが、おおよそ4段階に分けられます。それぞれどのような特徴があるのか、まとめてみました。

野球でもサッカーでも、華々しい活躍をしたルーキーがいつの間にか消えてしまう、ということはよくあります。営業の世界でもしかりでしょう。
すばらしい成績を上げていた営業担当者がいつの間にか、くすんだ存在になるという例をみなさんは見ていませんか。

今回は、営業担当者としての成長段階をお話ししましょう。

みなさんが初めて営業部門に配属された時は、「はたして自分は営業の仕事がうまくできるのかどうかわからない」という状態からのスタートだったでしょう。

何をしたらよいのかわからない、何がわからないのかさえもわかっていない状態です。
この段階を「無自覚の無能」といいます。

ところが、現場に出始めると、自分ができないことに気がつきます。
自分には能力が無いということはわかっていても、どのようにすればうまくいくかがわからないと痛切に感じたのではないでしょうか。
この段階右上にある状態を「自覚せる無能」といいます。

一方、自分なりに営業活動で試行錯誤を繰り返して知らず知らずのうちに成功パターンを身につけ実績を上げられる段階があります。
これを「無自覚の有能」とい言います。

この段階の営業は実績と能力はあるのですが、自分がなぜできるか、について説明することはできません。
この人たちのお気に入りのセリフは「営業なんて、理屈じゃない」とか「お客さまへの想いだよ」とか「要はやる気だけだ」などです。
この段階の人たちの課題は、部下を指導することが出来なかったり、営業環境が変わったり戦略が変わったりすると、今までの成功パターンが通用しないので、急速に成績が落ちてしまうのも特徴です。

プロの営業として目指したいのは一番上の段階にある「自覚せる有能」です。
この段階にいる人は「何をどのように実行すればよいのか」を理由とともに理解し成果を上げられる状態です。
「自覚せる有能」の段階の特長は3点あります。

  • 成功率を高められる:この人たちは、成功の秘訣を状況に合わせて用いることができ、また環境や戦略が変わったら自分の行動をどう変えれば成功するかがわかります。
  • 部下や後輩を指導できる:成功する理由が明確にわかっているから、論理的に整理して説明できます。
  • 仕事が楽しくなる:どうすればよいかが自分でコントロールできるので、仕事が戦略的になり、「次に何を仕掛けようか」と楽しみになります。

あなたの能力やスキルを体系化するお手伝いをして、「自覚せる有能」を目指していただくのが、このシリーズの目的なのです。

ウィルソン・ラーニングでは営業担当者の成長段階の可視化・向上や、マネージャーの指導能力測定のための『SPMS 営業力向上カルテ Sales Performance Measurement System』という研修プログラムをご用意しております。
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